よく食う社長のデブログ

食べあるきを綴ってます。まれにお仕事の書き込みしてます。

日本のモバイルキャリアに期待していること。

非常によくまとまったブログを友人から紹介され、激しく共感。

スマートフォーンを対象に事業を行っている自分としては「スマートフォーンの日本での普及」が大きな関心ごとです。その行く末を考えるにあたって、i-modeを展開したドコモのi-modeを振り返ると、いろいろと考えさせられます。

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ウェブでは「フリー」が基本であるというのは本当か  「ネット帝国主義と日本の敗北」岸博幸
http://d.hatena.ne.jp/pikarrr/20100213#p1

ドコモがいかにウェブに革命を起こしたか 「古き良きインターネット」の終焉
http://d.hatena.ne.jp/pikarrr/20100214#p1

なぜドコモが時代を先取りしえたのか
http://d.hatena.ne.jp/pikarrr/20100215#p1

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▼簡単にまとめてしまうと、(A氏のまとめ流用)
・ウェブがフリーであるのは本当なのか?
・ウェブがフリーなのは「ITリテラシーが高いITフェチ」だけでは?
・ITリテラシーが高くない層に垂直統合で金を使わせたのがドコモ
・ドコモがそのモデルを作りえたのは「日本の安全性にこだわる」作り方のおかげ。
・グーグルをはじめとした企業には「信頼」がない。
・だから「安全・簡単」な垂直統合が儲かる。
・ドコモが切り開いた垂直統合が次のウェブの方向性
・アップルの成功はアメリカ型セルフサービスと日本型過剰サービスの融合

日本のモバイル業界はよくメディアから「ガラパゴス」と表現されてるわけですが、私はこの「ガラパゴス」が決して「悪」とは思っていません。元ドコモとして、現在iPhoneのプラットフォームに携わっていると、その違いが身にしみるのですが、i-modeを作ったドコモは本当にすばらしい、と痛感します。

なぜか。

i-modeは通信インフラ→端末→プラットホーム(i-modeのゲートウェイ)→アプリケーションと全てを垂直にまとめ、端末に関してはメーカーから買い取り、サービスを提供したわけです。これにより「ITフェチ」ではない一般ユーザーに『わかりやすい』モバイルインターネットを紹介、促進させ、市場を導いてきたわけです。当時端末を製造していたP社の友人に「ドコモが買い取ってくれるからこそ、大胆な開発費が投入できる」といわれ、納得したものです。

ただし、この産業構造は右肩上がりでない場合、いろんなところでひずみがでます。市場が成熟してくると、下記のような現象がおきてきます。

1.「代理店」が売れなくなる → 統合 → 端末販売以外にも収入源を育てないといけない。(既に統合は一通り終わっている)

2. 端末が売れなくなる → ドコモが買い取る数量が減る → メーカー困る。
(ドコモとしてはメーカーに開発資金を捻出してるようですが、それも内部の話ではあまり効果は期待できないとの話も)

3. 競争の原理に基づき、無数にあるコンテンツの単価が下がっていく → ユーザーはうれしいがコンテンツプロバイダーは淘汰されてく

どれも必然的に起こる現象だと思います。ドコモとしても次のi-modeを作らないといけない。右肩上がりの市場をまた作らないといけない。そんな危機感を持っている中で、キャリア主導の垂直構造を崩しにきたAPPLEはどのように映ったのでしょう。

APPLEのプラットホームの良し悪しは別の機会に考えをまとめてみたいのですが、現状次の右肩上がりの市場を作らないといけない、関係プレイヤー全てが幸福になりえる構造をつくらないといけないと思うドコモがどれだけ本気でアンドロイドをリリースしてくるのしょうか。(昨年発売したHTC社製から何を学んだのか)

KDDIも自社の課金プラットホームを構築し、アンドロイドをローンチするようです。
KDDI、Android端末とWindows phoneを6月以降に発売

いかに日本のキャリアがスマートフォーンを「スマートフォーンっぽくなく」市場に紹介できるか、日本でのスマートフォーンの普及の一番大きなポイントでしょう。各キャリアの動向から目が離せません。